一般財団法人環境イノベーション情報機構
アノリス・アングスティケプスを外来生物法規制対象生物に追加へ 外来生物法施行令改正
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2007.07.30 【情報源】環境省/2007.07.30 発表
平成19年7月31日開催の閣議で、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」施行令の改正が閣議決定され、同法の規制対象とする「特定外来生物(日本の生態系や在来種に悪影響をもたらす外来種)」に、タテガミトカゲ(イグアナ)科アノール属の1種であるアノリス・アングスティケプスが追加される見込みとなった。
キューバ、バハマ諸島を原産地とするアノリス・アングスティケプスは、日本にまだ定着していない生物。輸入届出が提出されたことに伴い、特定外来生物専門家会合に意見聴取した結果では、「すでに特定外来生物となっているブラウンアノールと原産地が大きく重複し、野外放逐されれば南日本に定着するおそれがある。また、同じく特定外来生物のグリーンアノールとも近縁で、国内に侵入して定着すれば、生態系への被害が懸念される(注1)」と評価され、特定外来生物の指定対象とすることが適切であるとの意見がまとまっていた。
なお「特定外来生物」に指定されると、飼育・栽培、保管、運搬、輸入などが原則禁止となり、許可を得ずに飼養した場合には、個人には懲役3年以下か300万円以下の罰金、法人には1億円以下の罰金が課されることになる。【環境省】
(注1)ブラウンアノールとグリーンアノールも、タテガミトカゲ科アノール属。ブラウンアノールは日本に未定着だが、「気候的に日本国内に定着可能で、定着すれば在来の生物相に影響を与えるおそれがある」と評価されている。また、グリーンアノールはすでに小笠原諸島と沖縄島に定着しており、小笠原諸島の父島、母島の樹上性・昼行性の昆虫(特に固有種オガサワラシジミ)や、在来種オガサワラトカゲの生息状況に悪影響を与えていることが指摘されている。