一般財団法人環境イノベーション情報機構
柏崎刈羽原発で把握された中越沖地震によるトラブル状況公表 19年7月24日午後2時時点
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2007.07.25 【情報源】原子力安全・保安院/2007.07.24 発表
東京電力(株)は平成19年7月24日、新潟県中越沖地震(注1)発生後の柏崎刈羽原発各プラントの状況について、同日午後2時までに把握された内容を公表するとともに、原子力安全・保安院に情報提供した。この公表内容には、1号機消火系配管の損傷により、原子炉複合建家地下5階に流れ込んだ溜まり水(最大漏えい量:2,000立方メートル)、6号機から海に放出された漏水(放射能量:約9万ベクレル。放出停止済み)、7号機主排気筒からのヨウ素・粒子状放射性物質検出、1〜7号機の放射線管理区域での使用済燃料プール水の漏れなど、放射性物質にかかわるトラブル15件と、固体廃棄物貯蔵庫内での数100本のドラム缶転倒など、放射性物質にかかわらないトラブル52件が含まれている(注2)。
また、原子力安全・保安院に情報提供された内容には、(1)6号機の原子炉建屋天井クレーンを駆動させる軸に破損があることが新たに確認されたこと、(2)1〜7号機放射線管理区域で発生した水溜まりについて、3、4、6、7号機での拭き取り作業を終了したこと、(3)25日に各号機の非常用ディーゼル発電機1台の定例手動試験を実施すること、(4)7月19日以降の測定で放射能物質が検出されていない7号機主排気筒の放射性物質測定頻度を1日1回から1週間に1回に戻すこと−−などが含まれている。
なお、情報提供を受けた原子力安全・保安院は同日、6号機で新たに確認された天井クレーン損傷は、6号機から海に放出された漏水とともに、法令報告対象となる事案であり、保安院の保安検査官が現場確認を行っていること、1号機の複合建屋地下5階に溜まった漏えい水の処理準備作業に関連し、保安院の保安検査官が仮設のプール、ポンプ、ホースの設置状況を確認したこと、また6号機から海への漏水についてヘリウムガスによる移動経路確認作業に保安検査官が立ち会ったこと、柏崎刈羽原発の主排気筒放射線モニタやモニタリングポストに、異常値が確認されていないことをあきらかにした。【原子力安全・保安院】
(注1)新潟県中越沖地震は19年7月16日、柏崎刈羽発電所から約9キロメートル離れた新潟県中越沖を震源として、マグニチュード6.8の規模で発生した地震。当時柏崎刈羽原発の1号機、5号機、6号機は停止中だったが、運転を行っていた2号機、3号機、4号機、7号機は自動停止した。
(注2)23日までに発表した内容との重複を含む。