一般財団法人環境イノベーション情報機構
柏崎刈羽原発で把握された中越沖地震によるトラブル状況公表 19年7月20日午後1時時点
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2007.07.23 【情報源】原子力安全・保安院/2007.07.20 発表
東京電力(株)は平成19年7月20日、新潟県中越沖地震(注1)発生後に柏崎刈羽原発で実施している点検によって、同日午後1時までに把握された各プラントなどのトラブル状況を公表した。この公表内容には、1号機消火系配管の損傷により、原子炉複合建家地下5階に流れ込んだ溜まり水(漏えい量1,670立方メートル)、6号機から海に放出された漏水(放射能量:約9万ベクレル。放出停止済み)、7号機主排気筒からのヨウ素・粒子状放射性物質検出、1〜7号機の放射線管理区域での使用済燃料プール水の漏れなど、放射性物質にかかわるトラブル15件と、固体廃棄物貯蔵庫内での数100本のドラム缶転倒など、放射性物質にかかわらないトラブル52件が含まれている(注2)。
また、今後の予定として、軽微な不具合を復旧していくこと、炉内構造物の重要設備に対し、点検計画を立案した上で改めて詳細点検を実施することも示されている。
なおこの公表内容について情報提供を受けた原子力安全・保安院は同日、原子炉複合建家地下5階に流れ込んだ溜まり水を19日に計測した際には放射能が確認されたが、20日の計測では放射能を含んでいなかったこと、18日から19日にかけての測定で、7号機主排気筒からヨウ素・粒子状放射性物質が検出されなかったことを、保安院の職員がデータで確認したと説明。
また6号機から海に放出された漏水の移動経路の確認に関する立ち会いを保安院が実施してること、柏崎刈羽原発の主排気筒放射線モニタやモニタリングポストに、異常値が確認されていないことを報告した。【原子力安全・保安院】
(注1)新潟県中越沖地震は19年7月16日、柏崎刈羽発電所から約9キロメートル離れた新潟県中越沖を震源として、マグニチュード6.8の規模で発生した地震。当時柏崎刈羽原発の1号機、5号機、6号機は停止中だったが、運転を行っていた2号機、3号機、4号機、7号機は自動停止した。
(注2)19日に発表した内容との重複を含む。19日との違いは7号機の放射線管理区域で確認された水たまりから放射能が検出されたため、この事象が放射性物質にかかわらないトラブルから、放射性物質にかかわるトラブルに変更された点。