一般財団法人環境イノベーション情報機構
東電、柏崎刈羽原発で把握された中越沖地震によるトラブル計67件を公表 目視点検終了で
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2007.07.20 【情報源】原子力安全・保安院/2007.07.20 発表
新潟県中越沖地震(注1)発生後に柏崎刈羽原発で実施していた目視点検がひととおり終了したとして、東京電力(株)は平成19年7月19日、点検によって把握された各プラントなどのトラブル状況を公表した。この公表内容には、6号機から海に放出された漏水(放射能量:約9万ベクレル。放出停止済み)、7号機主排気筒からのヨウ素・粒子状放射性物質検出、1〜6号機の放射線管理区域での使用済燃料プール水の漏れなど、放射性物質にかかわるトラブル14件と、固体廃棄物貯蔵庫内での数100本のドラム缶転倒など、放射性物質にかかわらないトラブル53件が含まれている(注2)ほか、6号機からの漏水について、「原子炉建屋の放射線管理区域上にあふれ出した使用済燃料プールの水が、燃料交換機のケーブルと電線管を伝って非管理区域に滴下したことによる」との推定原因が示されている。
また、今後の予定として、軽微な不具合を復旧していくこと、炉内構造物の重要設備に対し、点検計画を立案した上で改めて詳細点検を実施することもあきらかにされた。
なおこの公表内容について情報提供を受けた原子力安全・保安院は同日、目視点検で原子炉格納容器などの機器に問題がないことを、加藤重治審議官ら保安院の職員も現場で確認したと説明。また、柏崎刈羽原発の主排気筒放射線モニタやモニタリングポストに異常値は確認されていないとしている。【原子力安全・保安院】
(注1)新潟県中越沖地震は19年7月16日、柏崎刈羽発電所から約9キロメートル離れた新潟県中越沖を震源として、マグニチュード6.8の規模で発生した地震。当時柏崎刈羽原発の1号機、5号機、6号機は停止中だったが、運転を行っていた2号機、3号機、4号機、7号機は自動停止した。
(注2)18日午後5時時点までに発表した内容との重複を含む。