一般財団法人環境イノベーション情報機構
柏崎刈羽原発7号機の主排気筒から、新たにヨウ素約0.2億ベクレルを検出
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2007.07.20 【情報源】原子力安全・保安院/2007.07.19 発表
新潟県中越沖地震(注1)の影響で原子炉自動停止した柏崎刈羽原発7号機の主排気筒から、ヨウ素と粒子状放射性物質(クロム51、コバルト60)が検出された件で、東京電力は平成19年7月19日、同日までのヨウ素の総放出量が約4億ベクレル、粒子状放射性物質の総放出量が約200万ベクレルであるとの推計値を公表した。ヨウ素と粒子状放射性物質は、発電所の排気筒・排気口ごとに設置されているフィルタを週1回取り替える際に、放射能が含まれていないかを確認する定期測定で19年7月17日に初めて検出された。
17日時点に把握された放出量は、ヨウ素について約3億ベクレル(約2.92億ベクレルを切り上げ)、粒子状放射性物質について約200万ベクレルだったが、その後測定を1日に1回の頻度に切り替えたところ、7月17日から18日にかけて、7号機主排気筒で新たにヨウ素約0.2億ベクレルが検出されたことから、ヨウ素の総放出量が約4億ベクレル(約3.12億ベクレルを切り上げ)に今回、訂正されたもの。
この放出による放射線量は、法令で定められている一般人の1年間の想定被ばく線量限度(1ミリシーベルト)の1,000万分の2にあたる約1,000万分の2ミリシーベルトで、東電によると、人に対する影響は極めて低く、主排気筒放射線モニタやモニタリングポストでも異常値は確認されてないという。
また東電は、プラント運転中および停止後の原子炉水のヨウ素濃度に異常な変動がないことから、検出されたヨウ素は燃料から漏えいしたものではなく、復水器内に滞留していた分が、プラント停止後も稼働していたタービングランド蒸気排風機によって、排気筒を通じ放出されたのではないかという考えを今回示した。
なお東電から情報提供を受けた原子力安全・保安院は7月19日、ヨウ素の放出抑制対策を講じるよう東電に指示。今後、同院としても厳格に監視を続けていくとした。【原子力安全・保安院】
(注1)新潟県中越沖地震は19年7月16日、柏崎刈羽発電所から約9キロメートル離れた新潟県中越沖を震源として、マグニチュード6.8の規模で発生した地震。当時柏崎刈羽原発の1号機、5号機、6号機は停止中だったが、運転を行っていた2号機、3号機、4号機、7号機は自動停止した。