一般財団法人環境イノベーション情報機構
柏崎刈羽原発6号機で放射性物質を含む水が海に放出 新潟県中越沖地震の影響で
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2007.07.17 【情報源】原子力安全・保安院/2007.07.17 発表
平成19年7月16日に発生した新潟県中越沖地震によって、定期検査中の東京電力(株)柏崎刈羽原発6号機の原子炉建屋3階と中3階の非管理区域で放射性物質を含んだ漏水が発生し、発電所内の排水経路を通じて海に放出されていたことが確認され、16日中に東電から原子力安全・保安院に報告された。新潟県中越沖地震は7月16日、柏崎刈羽発電所から約9キロメートル離れた新潟県中越沖を震源として、マグニチュード6.8の規模で発生した地震。この地震により、同発電所2号機、3号機、4号機、7号機は自動停止した(注1)。
3階で確認された漏水量は約0.6リットル、放射能量は3階で約280ベクレル、中3階で確認された漏水量は約0.9リットル、放射能量は約1万6,000ベクレル。また海に放出された漏水量は約1.2立方メートル、放射能量は約6万ベクレルとみられている。
東電は放出された放射性物質が海水で希釈されることによって、3か月間あたりの周辺監視区域外の放射能濃度は、告示で決められた放出濃度限度「1立方センチあたり0.2ベクレル」を十分下回る「1立方センチあたり100億分の2ベクレル以下」になると推定。6号機の海水モニタの値にも有意な変化はなく、環境への影響はないとしている。
なお、報告を受けた保安院では、放射性物質を含む漏水の放出が止まっていること、東電の推定が妥当であることを確認する一方、東電に、周辺監視区域外への放射性物質放出がないように引き続き厳重な管理を求めるとともに、厳格な報告体制の確立、今回の放出についての原因究明・再発防止を早期に行うよう指示した。【原子力安全・保安院】
(注1)柏崎刈羽発電所1号機、5号機、6号機は当時、いずれも停止中だった。