一般財団法人環境イノベーション情報機構
意見募集へ インドの南極新観測基地建設・運営についての環境アセス案
【地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2007.02.22 【情報源】環境省/2007.02.22 発表
環境省は2007年2月22日、インド政府から送付された、南極ラーズマンヒルズでの同国・新観測基地建設・運営案についての包括的環境影響評価書案を公開し、この案について07年3月23日まで意見募集を行うことにした。この包括的環境影響評価書案は1998年に発効した「環境保護に関する南極条約議定書」に基づくもの。
議定書は、南極条約地域での観測活動を含む全活動に対する環境評価の実施、影響が比較的大きい活動に対する包括的環境評価書の作成を規定しており、包括的環境評価書を作成した場合には、全締約国に送付の上、意見を求めるべきとしている。一方、評価書案の送付を受けた締約国は、各国内で案を公表の上、国内の意見を収束し、その結果を締約国意見として送付することができる。
今回の評価書案は、インド政府が南極東部のラーズマンヒルズに、耐用年数25年の新観測基地を建設することを想定し、その建設および建設作業、運営、維持に関する環境影響を評価にしたもの。「大気、氷雪、野生生物などに対する影響を予測、評価した結果、環境への影響は軽微または一時的なもので、これらの活動を実施して差し支えない」という結論を導き出している。
インドはすでに閉鎖されているダクシン・ガンゴトリや、マイトリ基地を南極に建設した実績があり、新規観測基地では、従来の科学活動に加えて、海洋科学の新領域に関する研究活動が期待されている。また、オーストラリア、中国、ロシアの基地と近接していることから、極域科学での協力促進に大きな役割を果たすと考えられている。
なお、意見は所定様式により送付することが必要で、郵送、FAX、電子メールで受付けている。宛先は環境省地球環境局環境保全対策課(住所:〒100−8975東京都千代田区霞ヶ関1−2−2、FAX番号:03−3581−3348、電子メール:antarctic@env.go.jp)。
今回寄せられた意見を参考にした締約国の意見は、南極条約協議国会議環境保護委員会の助言、南極条約協議国会議で提出された意見とともに、最終的な包括的環境影響評価書に反映される見込み。【環境省】