一般財団法人環境イノベーション情報機構
森林の二酸化炭素吸収量観測技術の研修実施へ 産総研がアジア10か国の観測担当者を対象に
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2006.08.23 【情報源】国立環境研究所/2006.08.17 発表
(独)産業技術総合研究所(茨城県・つくば市)の大気環境評価研究グループ・三枝信子主任研究員らは、森林の二酸化炭素吸収量を観測する技術の教育・普及を行うため、アジア各国の観測担当者を対象とした第1回トレーニングコースを2006年8月21日から30日まで、産総研で開催する。このトレーニングコースは、気象学の理論に基づいて森林の二酸化炭素吸収量を連続的に計測できる新技術「渦相関法」を普及することが目的。
「渦相関法」は、気象学の理論に関する知識と10種類以上の気象観測装置を使いこなす技術を必要とするため、アジアの中ではこれまで、日本や大韓民国の大学。一部研究機関でしか人材育成が行われていなかった。
今回のトレーニングコースには、インド、インドネシア、タイ、大韓民国、中華人民共和国、バングラディシュ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、台湾−−から気象学・林学・植物生態学などの専門家約20名が参加し、10日間にわたり、(1)計測理論、(2)装置の設置やメンテナンスなどの総合的な計測技術、(3)二酸化炭素吸収量を算出するためのデータ処理技術などを短期集中的に学ぶ予定。
なおこのトレーニングコースは来年度以降も継続的に実施予定で、将来的に、アジア域での温室効果ガス吸収量観測ネットワーク(注1)の構築、各国の研究者、政策担当者の連携強化に貢献することが期待される。
(注1)産総研は、アジアの森林が地球大気の二酸化炭素をどれだけ吸収しているかをモニタリングするため、アジア諸国、(独)森林総合研究所、(独)農業環境技術研究所、(独)国立環境研究所、北海道大学との連携の下で、森林の二酸化炭素吸収量観測のネットワーク構築を進めている。【国立環境研究所】