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環境ニュース[国内]

アスベスト救済法の救済認定申請、81件中53件が医学判定保留 資料不足で

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2006.06.08 【情報源】環境省/2006.06.07 発表

 環境省は「石綿による健康被害の救済に関する法律(アスベスト救済法)」に基づき、(独)環境再生保全機構から求められたアスベスト被害救済制度の適用に関わる医学的判定を平成18年6月7日に行なった。
 「アスベスト救済法」では、時効により労災補償の対象とならないアスベスト健康被害認定患者に環境再生保全機構を通じ、医療費などの救済給付金を支払うとしているが、認定患者の認定にあたっては、環境再生保全機構から判定の申し出が行なわれた事例に対して、環境大臣が中央環境審議会の意見を聴いた上で最終的に認定を行うことになっている。
 今回、判定が求められた事例は、81件(中皮腫67件、肺がん14件)。判定の結果では、うち27件(中皮腫25件、肺がん2件)が「アスベストが原因で中皮腫・肺がんにかかった」、1件(肺がん1件)が「アスベストが原因で肺がんにかかったとはいえない」とされたが、残り53件(中皮腫42件、肺がん11件)は「アスベストが原因で中皮腫・肺がんにかかったかどうか不明であり、判定を保留する」とされた。
 環境省によると、判断保留のケースが多かったのは、判定に必要な医学的資料が十分整えられていなかった事例が多かったため。
 環境大臣への意見をまとめるために、6月6日に開催された中央環境審議会石綿健康被害判定小委員会では、このことを踏まえ、「18年3月13日付けでの環境保健部長通知に示されている”医学的判定基準”の考え方に即して、医療機関や医療関係者が申請用の資料を作成して欲しい」として、判定様式の記載のしかたや必要な資料の内容を具体的に示した「留意事項」を作成。環境省がこの「留意事項」を通知することになった。
 なお、今回の判定案件のうち、判定保留となった事例については、環境再生保全機構から申請者・医療機関に対し、必要資料の追加提出を求めた上で、改めて判定を行うとしている。【環境省】

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