一般財団法人環境イノベーション情報機構
茨城県の鳥インフルエンザウイルスに不自然さ 農水合同会議が指摘
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2006.05.16 【情報源】農林水産省/2006.05.15 発表
平成18年5月15日に開催された、食料・農業・農村政策審議会の家きん疾病小委員会と、高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会の合同会議で、茨城県周辺養鶏場での高病原性鳥インフルエンザ抗体陽性確認にもとづいた防疫措置が18年4月末までに完了したことが報告された。報告によると、今回の防疫措置の関連養鶏場は38農場。処理羽数は合計約578万羽で、うち家畜伝染病予防法にもとづく殺処分羽数は約336万羽 、農場監視プログラム(注1)による抗体陽性鶏処理羽数は約242万羽だった。
また17年10月下旬以降に茨城県で確認された計10例のウイルスについて、鶏への感染性が高く抗体誘導能力も高い一方で、アイガモには感染しないなどの不自然さがみられたことがあきらかにされた。
会議では今後、収集した情報の分析・検討、このウイルスの性状分析、発生養鶏場での特徴的な要因の分析を進めるとしている。
なお今回の会議では、鳥インフルエンザ発生が世界各国に広がっている状況を踏まえて、海外からの初生ひな輸入時の検疫措置の方向性について情報収集と検討を進めることも決まった。
(注1)農林水産省の家きん疾病小委員会が、弱毒タイプの鳥インフルエンザウイルス抗体陽性が確認された密閉型鶏舎に適用するとしていた監視プログラム。同委員会17年12月20日の決定で、プログラム適用農場のおとり鶏に改めてウイルス感染が確認された場合、全鶏舎の鶏を殺処分するとの方針が決定されている。【農林水産省】