一般財団法人環境イノベーション情報機構
気象庁庁舎で未把握の放射性同位元素「セシウム137」を発見
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2006.05.11 【情報源】気象庁/2006.05.11 発表
平成18年4月3日に気象庁庁舎内でみつかった放射性同位元素「セシウム137」の放射線量が、規制対象下限の3.7ベクレルを超えていることが判明したため、同庁は18年5月11日に文部科学省にこのことを報告した。この「セシウム137」は、気象庁の大気・海洋中の放射能観測が17年度までで終了したことに伴い、同庁が関連機材の整理を行った際に、放射線管理区域外である庁内の倉庫でみつかったもの。
当初、気象庁の独自分析で放射線量が規制対象外である判断されたため、いったんは専門機関に処理が依頼されたが、その専門機関の分析で5月9日までに、放射線量が規制対象範囲となっていることが改めて確認され、文科省に連絡することになった。
なお、倉庫での保管時には施錠した鋼製の書庫内に鉛容器に入れて保管されており、人への放射線障害のおそれ、環境への影響はなかったと考えられるという。
一方報告を受けた文科省は、気象庁の放射性同位元素管理が不適切だったことや、17年に同庁が実施した放射性同位元素の有無に関する調査で、今回の「セシウム137」を発見できなかったことを重く見、気象庁を厳重注意するとともに、放射線同位元素が放射線管理区域外に保管されていた原因と再発防止策、放射性同位元素の有無に関する徹底再調査結果の報告を同庁に求める方針。【気象庁】