一般財団法人環境イノベーション情報機構
地球の年平均海面水温、100年で約0.5℃上昇 海洋環境の「総合診断表」を初公開
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2006.03.08 【情報源】気象庁/2006.03.07 発表
地球環境に関連した海洋変動の状況と今後の見通しをわかりやすく解説する、気象庁のウエッブサイト「海洋の健康診断表」で、これまでに掲載されたさまざまな観測データを総合的に分析した「総合診断表」が初めてまとまり、2006年3月7日に同サイトに掲載された。海洋は、温室効果ガスである二酸化炭素を吸収したり、熱を貯えることによって、地球温暖化を緩やかにする機能を持っているほか、その変動は、台風の発生・発達や異常気象などにも深く関わっている。
「海洋の健康診断表」は05年10月に開設されたウエッブサイトで、これまで(1)海面水温、海面水位、大気・海洋間の二酸化炭素交換量など、地球温暖化に関連する海洋データの長期(10年〜100年程度)変化、(2)エルニーニョ現象や黒潮・親潮の長期変動など、天候や気候に関連する海洋の変動、(3)北西太平洋の海面水温や黒潮・親潮、潮位、海氷の週〜月程度の変動、(4)北西太平洋の海面浮遊物や海水中の重金属濃度−−といった項目の観測データと項目ごとの解説が掲載されてきた。
「総合診断表」はこれらの項目の最新観測データを、海洋の基本的知識も交え、総合的に詳しく解説したもの。
約100年間に、海氷域面積が北極域では明らかな減少傾向にあること、地球全体の年平均海面水温が約0.5℃上昇していたこと−−などが示され、海氷域面積減少については「地球温暖化によるものか、数十年規模の自然変動によるものか明らかではない」との分析、海面水温の長期的な上昇傾向については「温暖化の影響が現れている可能性が高い」との分析が示されている。
なお「総合診断表」の内容は、各項目の新見解がまとまった時などに、今後項目ごとに随時更新を行うとされている。【気象庁】