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環境ニュース[国内]

成田新高速鉄道線建設事業環境アセス書に対し環境大臣意見送付

環境一般 環境アセスメント】 【掲載日】2005.09.28 【情報源】環境省/2005.09.28 発表

 環境省は、成田新高速鉄道線整備事業のうち、建設事業に関する環境影響評価書についての環境大臣意見を、事業所所管大臣である国土交通大臣に平成17年9月28日付けで提出した。
 成田新高速鉄道線は成田空港と都心を30分台の移動時間で結ぶために、最高時速160キロメートルの車両を走らせる鉄道。
 整備事業のうち、京成高砂駅から印旛日本医大駅までの32.2キロメートルについては、すでに整備されている北総線や千葉ニュータウン線の改良で対応するが、今回環境影響評価書の対象になっている建設事業実施区間(印旛日本医大駅と成田空港駅を結ぶ延長約19.1キロメートル)については、最高時速160キロメートルの車両を走らせるのに耐える鉄道線路の敷設を行うことになっている。
 なお、事業者である成田高速鉄道アクセス(株)が作成した環境影響評価書は、環境影響評価書の前段階の文書である環境影響評価準備書への千葉県知事意見を踏まえ、印旛沼を横断する部分のトンネル化を検討したが実施が困難であること、景観への配慮のため橋梁の構造形式や高さを変更したことなどが加筆され、追加的な予測・評価が行われている。
 これに対し今回の環境大臣意見は、(1)サンカノゴイなどの湿地性希少鳥類の生息地に代償措置(注1)として施すヨシ原造成は工事より先に着手し、鳥類が生息できる環境を確保すべき、(2)オオタカやサシバの営巣地が多数確認されている計画路線周辺でのコンディショニング(注2)実施にあたって、事前繁殖状況調査の実施や営巣期の工事中断など適切な措置を講じていくべき、(3)鉄道工事と併せて実施される北千葉道路建設工事と連携して更なる騒音対策を講じていくべき、(4)事後調査は調査時点で継続している北千葉道路建設工事と連携して実施し、調査結果を踏まえた対応をとるべき−−といった内容を盛り込んでいる。
 なお、事業者に対しては、国土交通大臣からこの環境大臣意見を勘案した意見が述べられることとなる。

(注1)損なわれる環境要素の価値を補う措置。米国NEPA(国家環境政策法)では「ミティゲーション(環境影響緩和措置)」のうち、事業を実行しない「回避措置」、開発行為の環境影響を最小限に抑える「低減措置」を十分に行えない場合に初めて代償措置を実施すべきとしている。
(注2)開始時点では工事規模を小さくとどめ、徐々に大きくしていくことによって野生動物を騒音などに慣らしていく手法。【環境省】

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