一般財団法人環境イノベーション情報機構
大気汚染物質濃度と呼吸器疾患有症率に相関見られず 38地域の3歳児対象、15年度調査結果
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2005.08.04 【情報源】環境省/2005.08.04 発表
環境省は全国38地域・約9万4,000人の3歳児を対象にした15年度の「大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査」の結果と、8年度〜15年度の同調査の経年変化の解析結果を17年8月4日付けで発表した。この調査は地域住民の健康状態と大気汚染との関係を定期的・継続的に監視し、必要に応じて適切な措置を講じることを目的として毎年実施されているもので8年度に調査が開始されている。
15年度調査の結果としては、大気汚染物質濃度の低い地域と高い地域で呼吸器疾患の有症率を比較した場合、高い地域のほうが有症率が高くなる傾向は見られなかったほか、大気汚染物質濃度と呼吸器症状有症率との関係をリスク比で表わす調査でも大気汚染物質濃度の高い地域ほど呼吸器症状の有症率が高くなることを示す結果は得られなかった。
大気汚染物質以外の要因では、性差(男児)、母の家庭内喫煙、木造木枠の家屋、保育所での保育、本人のアレルギー素因、親のアレルギー素因などの要因を持つグループの有症率が比較的大きく、統計学的にも有意な差があることが確認された。
また8年度〜15年度調査の経年変化を解析した結果では、ぜん息有症率の変化と大気汚染濃度の変化に関連性は見られなかったという。【環境省】