一般財団法人環境イノベーション情報機構
政府の施策検証も 関係閣僚会合が「アスベスト問題への当面の対応」決定
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.08.01 【情報源】国土交通省/2005.07.29 発表
過去に石綿を製造したり、取り扱っていた事業所の従業員や周辺住民にアスベストによるとみられる健康被害が多発していることが複数企業から公表され、アスベストによる健康被害について国民の不安が高まっていることを踏まえ、政府は平成17年7月29日、アスベスト問題に関する関係閣僚会合を開催し、「アスベスト問題への当面の対応」を決定した。「当面の対応」は(1)被害の拡大防止、(2)国民の不安への対応、(3)過去の被害に対する対応、(4)政府の過去の対応の検証、(5)アスベストのリスクに関する実態把握の強化−−の5分野の取組みをすすめていく方針を明らかにするとともに、それぞれの分野について具体的な施策内容を示したもの。
「被害の拡大防止策」としては、建築物解体時の飛散予防措置徹底、アスベスト含有製品の製造・新規使用の早期全面禁止、学校でのばく露防止対策に取組むとしたほか、「国民の不安への対応策」としては、健康被害状況の情報提供、健康相談窓口の開設、国民の不安・疑問に応えるQ&Aの公表を、「過去の被害に対する対応策」としては労災補償制度の周知、労災補償を受けずに死亡した労働者、家族、周辺住民の被害対応の検討−−を行うとした。
また、「政府の過去の対応の検証」については、アスベストに関連するこれまでの通知・通達行政文書、研究結果を洗い出し、8月中に対策に甘さがなかったかを検証するとしたほか、「実態把握の強化策」としては建築物の吹付けアスベストの使用実態調査、製造工場周辺での大気中濃度実測調査、事業場への立入調査、中皮腫、発ガンのリスクに関する研究に取組むとしている。【国土交通省】