一般財団法人環境イノベーション情報機構
農林水産業の多面的機能引き出す取組み強化を 16年度農水省政策評価
【環境行政 行政資料】 【掲載日】2005.07.15 【情報源】農林水産省/2005.07.15 発表
農林水産省は平成17年7月15日までに16年度の同省「政策評価年次報告書」をまとめ公表した。政策評価は国民の立場に立った質の高い政策実施を進めるために、客観的に政策の効果を評価する制度として13年度から中央官庁に導入されたもの。14年4月からは「行政機関が行う政策の評価に関する法律(行政評価法)」の枠組みに基づいて政策評価が行われている。
報告書は「評価に当たっての基本的考え方」、「16年度政策の評価の実施方針」、「16年度政策の実績評価結果の概要」、「農林水産省政策評価会委員による意見の概要」、「政策評価に係る今後の改善について」の5部構成。
このうち16年度政策の実績評価結果では、(1)安全・安心な食品消費体制の確立、(2)良質な食料・林産物の合理的な価格での安定供給、(3)農林水産業の構造改革、経営安定化、魅力ある産業としての育成、(4)都市と農山漁村との対流・共生、(5)農山漁村での自然環境の適正管理、農林水産業の多面的機能の享受、持続的発展が可能な社会の実現−−の5つの大目標、12の中目標の下に57の政策分野とその目標値を体系的に設定し、その達成度を評価する手法をとっている。
環境分野の大目標である(5)については、「農林水産業の持つ自然循環機能の維持増進、バイオマスの利活用、自然環境の適正管理」という中目標、(一)農畜産業の環境保全対策、(二)バイオマスの利活用の推進、(三)森林整備、(四)森林保全、(五)国民参加による森林づくりと森林の多様な利用、(六)地球環境保全対策−−の6つの政策分野が設定されている。
各政策分野の目標達成度はおおむね順調であるとされたが、化学肥料施用量低減の目標達成度が47%不十分な状況であること、育成途中の水土保全林のうち、機能が良好に保たれている森林の割合が8割に留まっていることなどが課題であると指摘され、大目標全体としては「農林水産業が持っている生産以外の多面的機能を引き出す取組み強化が必要」との評価が示されている。【農林水産省】