一般財団法人環境イノベーション情報機構
大規模緑地周辺の涼しい空気を緑でつなげ 環境省検討会が中間報告
【環境一般 まちづくり】 【掲載日】2005.06.28 【情報源】環境省/2005.06.28 発表
環境省の「都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想検討会(座長:尾島俊雄・早稲田大学教授)」は平成17年6月28日までに、大規模緑地を中心とした都市の熱環境改善策についての中間報告をまとめた。この検討会は大規模緑地を活用した都市の熱環境改善策を包括的・具体的な構想としてまとめるために16年に設置されたもの。
16年度には一般的な熱環境改善手法などを整理するとともに、新宿御苑とその周辺地域をモデル地域とした緑地の熱環境緩和効果、熱環境改善のプロセスを検討した。
中間報告は、御苑周辺の80〜90メートルの範囲にまで、市街地より2〜3℃涼しい環境が形成されていることを報告し、大規模緑地で発生した冷気が市街地の冷却につながる可能性を示唆したが、一方で一歩大規模緑地の外に出ると、冷気がエアコンからの人工排熱にさらされる上に、冷気をつなぐ緑も極端に減少するなど、冷気の広がりを抑える要因が多いことも指摘。
冷気の広がりを抑えている要因をとりのぞき、冷気を広げていくために、建物緑化などの手法を活用した緑と緑をつなげるネットワークの形成、中水の道路散水利用、水のネットワーク形成−−など対策を提案している。
検討会は今後、新宿御苑から発生する冷気のより詳細な実態把握、関係者の意見収集、熱環境的に優れた街区の将来プランの作成、対策の数値シミュレーション評価などを行い、熱環境改善構想の具体化に取組む予定。【環境省】