一般財団法人環境イノベーション情報機構
室内化学物質の濃度は年ごとに低減傾向 16年度実態調査結果公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.05.10 【情報源】国土交通省/2005.05.10 発表
国土交通省は平成16年度に実施した室内空気中の化学物質濃度実態調査結果を17年5月10日に公表した。この調査は新築1年以内の住宅を対象に実施したもので、16年度調査は、(1)12年度の実態調査でホルムアルデヒド・トルエンの濃度が室内濃度指針値を超えた住宅に対する追跡調査(夏期・冬期)と、(2)新築1年以内の住宅についての実態調査−−を行なった。
このうち12年度に指針値を超過していた住宅への追加調査では、16年度夏期調査の段階で、超過住宅の割合がホルムアルデヒドで約17%、トルエンで0%まで減少。物質が大気中に拡散しにくい冬期調査では2物質とも0%となっていた(注1)。
また、新築住宅の調査ではホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、アセトアルデヒド(注2)の6物質について、改正建築基準法が適用される15年7月以降に着工された住宅とその前に着工された住宅にわけて濃度を集計。測定値の平均濃度は15年7月以前に着工された住宅で、ホルムアルデヒド0.028ppm(指針値超過率1.6%)、トルエンで0.004ppm(指針値超過率0.6%)、キシレンで0.002ppm(指針値超過率0.2%)、スチレンで0.000ppm(指針値超過率0.1%)、アセトアルデヒドで0.018ppm(指針値超過率9.7%)、エチルベンゼンで0.001ppm(指針値超過事例なし)、15年7月以降着工住宅で、ホルムアルデヒド0.026ppm(指針値超過率1.3%)、トルエンで0.004ppm(指針値超過率0.7%)、キシレンで0.003ppm(指針値超過率0.3%)、スチレンで0.000ppm(指針値超過率0.1%)、アセトアルデヒドで0.019ppm(指針値超過率10.2%)、エチルベンゼンで0.001ppm(指針値超過事例なし)。各物質とも濃度・超過事例は大筋で年ごとに低下する傾向にあった。
(注1)超過住宅の割合は9回の調査全てに協力した住宅数をもとにしているため、他の年度の発表と数が異なっている。
(注2)アセトアルデヒドのWHO指針値が誤っていたとの情報に基づき、厚生労働省が国内指針値を再検討中だが、今回は従来の指針値(0.03ppm)に拠った。【国土交通省】