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環境ニュース[海外]

UNEP 北朝鮮の環境状況に関する初めての報告書を発行

地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2004.09.14 【情報源】国連/2004.08.27 発表

 UNEPと北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は、北朝鮮の環境状況に関する初めての報告書を公表した。報告書は、バンコクにあるUNEPの事務所とピョンヤンにあるUNDPの事務所の指導を受けながら、北朝鮮の20の官庁及び学術団体が執筆したもの。
 同報告書は、「環境負荷−状態−対策(pressure-state-response)」アプローチを利用し、森林、水、大気、土壌及び生物多様性といった分野で優先課題を抽出した。
 森林については、依然として国土の4分の3を覆っているが、そのほとんどが斜度20度以上という急傾斜地にある。1950年代から植林キャンペーンが展開されてきたが、ここ10年間は、質・量とも減少している。木材生産や薪消費量の倍増、山火事、乾燥化に伴う害虫の増加、また、人口増加に伴う農地の拡大などがその原因として挙げられている。
 水資源には恵まれているが、供給と質の確保が課題である。ここ数年、河川の汚染が深刻になっており、特にピョンヤンの中央を流れる大同江の汚染が著しい。工場からの排水に加え、西海堰の建設、乾燥による流量の減少なども、河川の自然浄化力を弱め、大同江下流部の赤潮青潮につながっている。報告書は、下水道や工場の排水処理、また、水の貯蔵・浄化・供給システムへの投資が緊急に必要だと指摘する。
 また、大気問題では、石炭を主要な燃料としていることから、都市部で深刻な大気汚染が起きている。しかし、包括的なモニタリングやヒトの健康影響に関する研究などは実施されていない。石炭の使用量は、2020年までに5倍となることが予想されているため、石炭の清浄燃焼技術、排出ガスの浄化技術、エネルギー効率化、石炭に代わる持続可能なエネルギーが必要である。
 報告書は、社会経済的な発展を持続可能な開発に沿ったものとするため、環境法や規制を整備・更新し、環境管理メカニズムを改善・強化し、財政投資を促進する必要があると結論付ける。また、科学・技術研究は優先課題に焦点を合わせ、環境モニタリング制度や統計制度を確立し、こうしたデータを国の計画づくりや政策づくりの基礎として活用すべきだと指摘する。【UNEP】

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