一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、動物用抗菌剤使用の現状について報告、ワンヘルスアプローチによる対策を推奨
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2024.05.23 【情報源】EU/2024.05.07 発表
欧州環境庁(EEA)は、欧州における動物用抗菌剤使用の現状と課題について概況を報告した。家畜や養殖生物に投与された抗菌剤のうち体内に吸収された残余は排出され、環境中に拡散して生態系へのリスクとなる。また、薬剤耐性(AMR)の発生・蔓延をもたらす。欧州経済領域内の薬剤耐性感染症の死者は年3万5,000人超という。EUは、「農場から食卓まで戦略」と「汚染ゼロ行動計画」において、畜産・養殖の抗菌剤使用を2030年までに2018年比で半減するとしている。使用量は、2018〜2022年に28%減少した。一方、環境中の残留抗菌剤と薬剤耐性菌・遺伝子に関する情報・知識は著しく不足している。EEAは、情報・知識の獲得、リスク評価・調査・早期警戒の強化、リスク管理方法の特定を推奨し、その際のヒト・動物・環境を横断するワンヘルスアプローチの重要性を強調している。
同日、医療・医薬品・化学品・環境・食品など関連5機関の構成するワンヘルスタスクフォースは、同アプローチにより健康への脅威に取り組むための行動枠組を発表した。
【欧州環境庁】