一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界資源研究所、食肉生産による環境・気候影響の最小化に向けた報告書を公表
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2024.05.02 【情報源】研究機関/2024.04.16 発表
世界資源研究所(WRI)は、従来の畜産システムから代替システム(有機・牧草飼育など)への移行には正負の影響があると報告した。畜産は世界のGHG排出量の最大20%を占め、欧州や北米を拠点とする食品会社にとって、食肉・乳製品生産による排出量は食品関連のGHG「スコープ3」排出量の大半を占める。また畜産は、水利用や汚染、健康等に影響を及ぼしている。
WRIは、欧州と北米で生産システムのライフサイクル評価を実施。代替システムは動物福祉向上や抗生剤削減など効果があるが、調査した事例の75%において気候や土地、水への影響が拡大。特にタンパク質生産1gあたりの土地利用が大きく、炭素を固定する森林地域等への農地拡大、排出増を招くという。
報告書では、植物由来の食品拡大が最善策であると強調するとともに、気候・社会・倫理・経済目標を達成する食肉調達戦略の設計に役立つ6つのステップを提示。どの生産システムにも数多くの排出削減方法があるとし、食品会社はサプライヤーと共に取り組む必要があると指摘した。
【世界資源研究所】