一般財団法人環境イノベーション情報機構
「第5次全米気候評価」、気候対策の経済・環境・福祉効果の大きさを強調し取組強化を要請
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2023.11.28 【情報源】アメリカ/2023.11.14 発表
アメリカ政府は、全米の気候変動の影響と取組の現状を報告する「第5次全米気候評価」を発表した。排出量は2007年がピークで、取組は前回報告(2018年)より進んだが、2005〜2019年の年平均排出削減率は1%で、2050年に排出実質ゼロ達成のために必要な6%に及ばない。温暖化は世界平均より速く進み、特にアラスカで顕著である。1980年代に10億ドル級災害は4ヶ月に1件だったが、現在3週間に1件となった。経済的損失は年1,500億ドルに及ぶ。気温約0.5℃の上昇で被害は倍増する。山林火災、洪水、干ばつ、海面上昇など気候災害は増加を続け、エネルギー、水、医療、交通、通信、廃棄物処理などのインフラ、心身や地域社会の健康、生態系、文化、産業の存続は危機にある。
影響は偏在し、熱波の間、近隣の富裕地域に比し6℃以上気温が高くなる貧困地域の被害は大きい。報告書は、気候取組は費用を上回る利益と雇用を生み、福祉、心身・社会の健康を向上し不公正を是正するとして、取組の強化と加速を要請している。
【アメリカ海洋大気庁】