一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画等、化石燃料の2030年の計画生産量が1.5℃目標の許容レベルの約2倍と報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2023.11.23 【情報源】国連/2023.11.08 発表
国連環境計画(UNEP)等は、「2023年生産ギャップ報告書」を公表し、化石燃料の主要生産20ヶ国の分析結果を示した。世界151ヶ国が実質ゼロ排出を約束し、この10年で化石燃料の需要がピークを迎えると見込まれている。しかし2030年に計画されている化石燃料の生産量は、温暖化を1.5℃に抑えるレベルの約2.1倍。石炭生産は2030年まで増加、石油・ガス生産は少なくとも2050年まで増加し、気候目標に整合するレベルとの差が拡大するという。
17の化石燃料生産国が実質ゼロ排出を約束する一方、ほとんどの生産国が政策や資金面で化石燃料生産を支援、1.5℃目標に整合する石炭・石油・ガスの減産を約束している国は無い。
炭素回収・貯留やCO2除去の不確実性を考慮すると、2040年までに石炭生産・使用の段階的廃止をほぼ完遂、石油・ガスは合わせて2050年までに2020年レベルの4分の3以上の削減を目指す必要がある。化石燃料からの転換力の高い政府は、削減目標を引き上げ、リソース不足の国々を支援すべきという。
【国連環境計画】