一般財団法人環境イノベーション情報機構
フィンランド環境省、先住民サーミ人を委員とするサーミ気候評議会を発足
【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2023.09.12 【情報源】フィンランド/2023.08.24 発表
フィンランド環境省は、先住民サーミ人の知識と意見を気候政策に取り入れるため、科学者とサーミ人で構成されるサーミ気候評議会を発足した。評議会は改正気候変動法に根拠をもち、任期は4年で委員は12人、うち半数以上をサーミ社会の伝統的知識の保持者とすると規定されている。任務は、サーミ人の知識と意見を気候政策に取り入れ、気候変動対策とサーミ人の暮らしと文化の保全を同時に推進することにあり、そのためのナレッジベースを創設する。参加する研究者は、気候学、気象学、先住民研究、生態学、環境経済学など多方面にわたり、先住民は、トナカイ遊牧・手工芸・漁業などの知識、気候変動に関する調査やインベントリ作成、伝統的知識の収集などで寄与する。
北極の温暖化は世界最速で進行しており、北極の自然と密接なサーミ人の暮らしと文化は、その影響をとりわけ大きく受ける。
オウル大学の研究者でサーミ人の評議会議長は、気候変動と生物多様性消失の影響を受けるサーミ社会に解決策を見つけるため、評議会は重要な役割を果たすと語った。
【フィンランド環境省】