一般財団法人環境イノベーション情報機構
オランダ環境評価庁、パリ協定の目標達成には、非CO2温室効果ガスの排出削減が重要とする研究を紹介
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2023.06.20 【情報源】オランダ/2023.06.02 発表
オランダ環境評価庁(PBL)は、メタン、一酸化二窒素、Fガス等の非CO2温室効果ガス(非CO2GHG)の排出削減の重要性を強調する研究を紹介した。非CO2GHGの温室効果は大きく、削減は緊要であるが、対策の基礎となる大気中残留濃度や緩和ポテンシャルなど多くの数値は不確実・未解明である。
PBLの研究者らは、非CO2GHG緩和対策のケーススタディ論文をレビューし、農業部門を例に、社会経済の変化が少ない中庸シナリオ(SSP2)で排出が中程度であった場合の緩和対策の種別(楽観的・中立的・悲観的)に非CO2GHG限界削減費用曲線を作成して対策の効果の幅(不確実性)を推定した。
悲観的対策では、1.5℃目標は達成不可能となった。緩和・適応策の困難なシナリオ(SSP3)で高排出の場合、悲観的対策をとると2℃目標も達成不可能となった。2℃シナリオでは対策が楽観的か悲観的かにより、カーボンバジェットに240ギガトンの差が生じる。
論文は、非CO2GHG排出削減対策のための研究とケーススタディの促進を提言している。
【オランダ環境評価庁】