一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、デジタル化は交通システムの持続可能性を高めうると報告
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2023.05.30 【情報源】EU/2023.05.11 発表
欧州環境庁(EEA)は、運輸交通におけるデジタル化と環境影響について分析し、デジタル化は交通システムの持続可能性を高めうるが、環境便益はデジタル化の進め方や輸送需要への影響次第になると報告した。同庁によると、デジタル化で得られる大量のデータや情報を政策に役立てることで持続可能かつ公正な交通システムへの移行が促進されるほか、モビリティの自動化はシェア型モビリティの促進に寄与するという。一方で同庁は、デジタル化の影響は輸送効率やインフラ、エネルギー需要、政策に及ぶ可能性があるが不確実であり、自動化によるコスト減や物流の最適化などで輸送需要が増加すれば環境便益が相殺される恐れもあると警鐘を鳴らす。
また、テレワークにも着目し、ハイブリッド型勤務は通勤を減らす、車中心のライフスタイルからの脱却を促す、都市計画に影響を与えるといった可能性があるが、反動的な影響が出る恐れがあり、実質的な環境便益はまだ不確実だと分析した。新しい働き方による環境便益を損なわないための支援政策が必要だと指摘している。
【欧州環境庁】