一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、海洋ごみの主因であるプラスチック廃棄物への対策強化が必要と報告
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2023.02.06 【情報源】EU/2023.01.19 発表
欧州環境庁(EEA)は、海洋ごみの全体像について初めて欧州レベルで調査した報告書を公表した。報告書によると、海洋ごみの80%は陸域が出所で、約85%がプラスチックである。そのプラスチックの約80%は包装材や小さなプラスチック製品が占めている。2020年のEU加盟27ヶ国の一人当たりのプラスチック廃棄物発生量は2011年から22%増加した。管理能力の限界から、使用済み・廃棄プラスチックの一部は回収されず、河川を経由して海に流れ着いて海洋ごみとなるが、実際に調査した海域の75%でごみ汚染が起きている。EUは諸施策によって対策を強化しているものの、経済成長を上回るペースでプラスチック廃棄物が発生しており、EUの削減目標を達成する軌道には乗っていないという。
報告書は、海洋ごみ問題の根源である廃棄物を削減すべく一層の取組が必要だとして、出所を含めて海洋ごみを理解すると同時に、経済が成長する中でも廃棄物の発生を抑える必要があると指摘し、データ収集の改善やデータの活用など10項目の提言をまとめている。
【欧州環境庁】