一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、ヨーロッパの大気質の改善は続いているが、なお対策の強化が必要と報告
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2022.12.12 【情報源】EU/2022.11.24 発表
欧州環境庁(EEA)は、「ヨーロッパの大気質2022」を発表した。2005年以降の大気質の改善傾向は2020年も継続し、大気汚染が原因の疾病、早死の減少も続く。だが、大気汚染は依然として大きな健康リスクである。2020年に、EU27ヶ国の都市住民の96%は、WHOの指針(5µg/m3)を上回る濃度の微小粒子状物質(PM2.5)に曝露し、PM2.5が原因の早死は23万8000人を超える。2019年に、PM2.5が原因の慢性閉塞性肺疾患の患者が障害を負った状態で過ごす年数(YLD)は、ヨーロッパ30ヶ国で17万5702年に及んだ。2020年の二酸化窒素が原因の早死は4万9000人、オゾンによる早死は2万4000人であった。生態系、森林、農業への影響も大きい。主要排出源についてみると、PM2.5等粒子状物質は建物での燃料燃焼、アンモニアとメタンは農業、窒素酸化物は道路輸送となっている。欧州委員会は、2021年のWHOの大気質指針の基準強化に合わせ、2022年10月に大気質指令の改正を提案した。
【欧州環境庁】