一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、「排出ギャップ報告書2022年版」で部門・システムの迅速な転換の必要性を強調
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2022.11.15 【情報源】国連/2022.10.27 発表
国連環境計画(UNEP)は「排出ギャップ報告書2022年版」を公表し、現在の気候変動対策はパリ協定の目的達成には全く不十分で、部門・システムの転換が急務と報告した。これによると、2021年のCOP26で各国は国別目標(NDC)の強化等を決定したが、それ以降に追加された2030年の削減目標はCO2換算5億トン(1%未満)。NDCを達成した場合、今世紀末までの気温上昇は2.4〜2.6℃、現在の政策のみを続けた場合は2.8℃と予測される。
パリ協定の目標達成に向け、今後8年間で前例のない排出削減(1.5℃目標の軌道では45%減、2℃目標の軌道では30%減)を行う必要がある。そのためには大規模・迅速・組織的な転換が必要と報告書は指摘し、主要部門・システムでの転換の方法を検討。例えば、電力、産業、輸送、建築部門では排出実質ゼロへの転換が既に始まっているが、さらに加速する必要があるとし、転換を促す方法として、化石燃料集約型インフラの固定化の回避、排出ゼロ技術の改善・利用、行動変容の推進を提言している。
【国連環境計画】