一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、土壌の炭素貯蔵・排出に関するブリーフィングを公表
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2022.09.26 【情報源】EU/2022.09.08 発表
欧州環境庁(EEA)は、土壌の炭素貯蔵・排出に関するブリーフィングを公表した。これによると、土壌は、種類や管理方法、気候条件次第で大気中の炭素を吸収・貯蔵することができるが、温室効果ガス(GHG)の排出源にもなりうる。2019年のデータによれば、土壌からの炭素排出の状況は国によって差があり、また、吸収量と排出量を差し引きすると、EUのGHG排出量全体の約2%に相当する炭素が域内の土壌から排出されている。実質的な排出量をマイナスに転じなければ気候目標の達成は危ういという。EEAは、土壌からの炭素排出量を実質マイナスにする施策として、泥炭地の再生やアグロフォレストリーなどを挙げ、生物多様性や水質などにも有益となりうる場合が多いと説明している。一方で、条件によっては、CO2以外のGHG排出量が増えたり、生物多様性や食料生産に悪影響を及ぼしたりすることがあるとも指摘する。このため、土地管理慣行の違いによる気候などへの影響を把握できる科学的な方法を開発して活用することの重要性を強調している。【欧州環境庁】