一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、自然を犠牲にした都市のスプロール化が続く欧州の現状を報告
【自然環境 その他(自然環境)】 【掲載日】2022.05.25 【情報源】EU/2022.05.05 発表
欧州環境庁(EEA)は、欧州では自然を犠牲にしながら都市のスプロール化が続いていると指摘する報告書を公表した。この報告書は、EUとイギリスを合わせた地域の陸域の23%に相当する662の機能的な都市部(都市と通勤圏)について、土地利用の変化と社会経済動向を分析している。報告書によると、2012年から2018年にかけて、欧州の都市部で土地の開発が進み、アスファルトなどの舗装や建物による土壌の密閉が増えるなど、自然への負荷と生息地の断片化が起きているという。主に農地や牧草地が犠牲になっており、この期間に推計420万トン分の炭素隔離が行われなかったことになる。野生生物や炭素隔離、洪水防止、食料供給にとって重要な通勤圏は、開発の約80%が集中しており、都市よりも土地利用の効率が悪いことも示された。報告書は、この状況が続けば生態系の回復力が弱まり、生物多様性が失われ、自然災害に対して一層脆弱になると警鐘を鳴らし、土地の劣化を食い止めて自然や生態系、農地を再生することが肝要だと説明する。【欧州環境庁】