一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ海洋大気庁、気候変動によって北極圏の環境が激変していると報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2022.01.06 【情報源】アメリカ/2021.12.14 発表
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、北極圏報告カード2021年版を公表し、気候変動によって北極圏の環境が激変していると警鐘を鳴らした。報告によると、北極園の温暖化は世界の他の地域の2倍以上の速さで進行している。2020年10〜12月の北極圏は1900年の観測開始以降で最も温暖な秋であった。2020年10月〜2021年9月の平均地表温度は7番目に高かった。夏期の雪がない期間や6月の積雪の少なさなどについても特筆すべき点があり、グリーンランドでは1998年以降氷床質量の減少が続くなか、2021年8月には標高約3200メートルの山頂で初めて降雨が観測された。また、2021年4月の北極海の海氷量は少なくとも2010年以降最少であった。年最小海氷域面積の上位15年は直近の15年間に記録されており、北極圏の海氷面積は1979年から大きく減少している。報告書は、海氷の消失により海運などの商業活動の範囲が広がって汚染や騒音が増えていることや、海洋の酸性化が世界最速で進行しているところがあるとも指摘する。【アメリカ海洋大気庁】