一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画など、メタン排出に関する評価書で今後10年の緊急措置の必要性を報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2021.05.25 【情報源】国連/2021.05.06 発表
国連環境計画(UNEP)、短寿命気候汚染物質削減を目指す「気候と大気浄化の国際パートナーシップ」(CCAC)は、メタン排出削減の利益とコストをまとめた評価書を公表し、人為起源のメタン排出は今後10年で45%削減可能と報告した。2045年までの世界の気温上昇を最大0.3℃回避し、パリ協定の1.5℃努力目標が達成可能な削減で、これにより年間26万人の早死、喘息関連の77万5000回の通院等を回避できるという。人為起源のメタン排出はかつてないほど急増している。メタンは温室効果が極めて強く産業化以降の温暖化の原因の約30%を占めるが、CO2とは異なり分解が早く多くは10年で消失するため、直ちに排出削減すれば短期間で温暖化のペースを激減できる。評価書は主な排出源を3部門(化石燃料、廃棄物、農業)とし、的を絞った削減策(約6割が低コスト)を特定。すぐに利用できるこれらの解決策を実施すれば2030年までに排出を30%削減でき、再生可能エネルギーへの移行、食品ロス・廃棄物削減等の追加措置を講じればさらに15%削減可能だという。【国連環境計画】