一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、「排出ギャップ報告書2020年版」でコロナ危機を気候行動の契機とする必要性を強調
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2021.01.06 【情報源】国連/2020.12.09 発表
国連環境計画(UNEP)は、2030年に予想される温室効果ガス(GHG)排出量とパリ協定の目標に相応する排出量との差を評価した「排出ギャップ報告書2020年版」を公表した。これによると、2019年の世界のGHG排出量(土地利用変化による排出も含む)は59.1Gt(CO2換算)で過去最高だった。2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響で前年比7%減となる見込みだが、この減少は2050年までの温暖化を0.01℃抑制するに過ぎず、国別約束(NDC)を完全に実施しても今世紀中に3.2℃上昇する見込み。しかし、コロナ危機からの復興策として気候対策に投資すれば、2030年には排出を従来の予想値より25%削減でき、2℃目標の水準に近づけることが可能となる。ただし1.5℃目標の達成には不十分だという。
UNEPは優先すべき復興策として、排出ゼロ技術・インフラの支援、化石燃料補助金の削減等を指摘。また、排出実質ゼロ目標を公約した(または検討中の)国は126ヶ国(世界のGHG排出量の51%)にのぼるが、これらの公約を迅速に政策と行動に移し、国別目標(NDC)に反映させる必要があるとしている。
【国連環境計画】