一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、欧州の大気質は過去10年で大幅に改善したが、大気汚染の健康影響は続いていると報告
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2020.12.09 【情報源】EU/2020.11.23 発表
欧州環境庁(EEA)は、欧州の2018年の大気質と健康影響を分析した報告書(2020年版)を公表した。欧州の大気質は過去10年で大幅に改善、大気汚染関連の死亡も減少したが、未だ汚染の影響が続いているという。報告によると、2018年は微小粒子状物質(PM2.5)への曝露による早死は、欧州41ヶ国で約41万7000人。EU加盟(当時)28ヶ国では、PM2.5、二酸化窒素(NO2)、地表オゾン(O3)による早死はそれぞれ37万9000人、5万4000人、1万9000人だった。EUや国、地方の政策、及び輸送部門等の排出削減により欧州全体の大気質が改善し、PM2.5による早死は2009年比で約6万人減少、NO2による早死は約54%も減少したという。2018年は6加盟国(ブルガリア、クロアチア、チェコ等)がEUのPM2.5上限値を超過し、より厳しい世界保健機関(WHO)のPM2.5基準を満たしたのは僅か4ヶ国(エストニア、フィンランド等)だった。欧州委員会は「ゼロ汚染行動計画」の下、EUの基準改正を検討するという。
報告書ではまた、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行と大気質の関連についても概要を示した。
【欧州環境庁】