一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター、生物多様性保全と気候変動対策の相乗効果は大きいと報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2020.12.03 【情報源】国連/2020.11.13 発表
国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)は、2020年以降の世界的な生物多様性保全目標を達成するための取組がいかに気候変動の緩和に貢献しうるかについての報告書をまとめ、自然保護と気候変動対策の相乗効果は大きいと分析した。報告書によると、戦略的に重要な地域において土地の30%を保全すれば、植生や土壌に含まれる炭素5000億トンを保持でき、調査した種の約88%で絶滅リスクを下げられる。報告書は、生物多様性と炭素貯蔵量の両方の観点から優先度の高い地域で保全の取組を行えば、片方を優先した場合の生物多様性のメリットの95%、気候変動緩和のメリットの約80%を得られるとも説明し、保全の重点地域を挙げている。気候変動と生物多様性の減少とは関連しており、これら二つの危機に効果的に対処するには一層統合的なアプローチが必要だという。UNEPのアンダーセン事務局長は、「生態系の機能を十全に活かした気候変動対策ができれば、生物多様性保全の目標も達成できる」と語る。【国連環境計画】