一般財団法人環境イノベーション情報機構
オランダ環境評価庁など、CO2回収・貯留付きバイオマス発電は早期導入でCO2除去効果は高まるが大規模導入には課題もあると分析
【エネルギー バイオマス】 【掲載日】2020.09.14 【情報源】オランダ/2020.08.24 発表
オランダ環境評価庁などは、温暖化を2℃より十分低く保つとともに1.5℃に抑える努力を追求するというパリ協定の目標を達成する上で重要な手段と考えられている回収・貯留付きバイオマス発電(BECCS)について、今世紀末までの80年間という長さでみるとCO2除去効果は大きいが大規模な導入には課題もある、との研究結果を公表した。この研究は、同庁と国内の2大学が、バイオマスの生産場所や評価対象期間などを加味しBECCSの潜在的なCO2除去効果を分析したものである。これによると、30年間でBECCSによって除去できる大気中のCO2は最大で年間25億トンである。これが、21世紀末までの80年間でみると除去できるCO2は最大で年間400億トンに増える。ただし、気候目標の達成に向けてBECCSを世界規模で最大限に導入すると、バイオマス生産のために世界の地表面積の5〜16%に相当する広大な土地が必要になるという。研究者は、BECCS導入は慎重に検討すべきであり、早期の限定的な導入が望ましいと説明する。【オランダ環境評価庁】