一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画等、海草藻場が気候変動対策で果たす役割を報告
【地球環境 その他(地球環境)】 【掲載日】2020.06.25 【情報源】国連/2020.06.08 発表
国連環境計画(UNEP)等は、2020年6月8日の世界海洋デーに、自然に基づく気候変動対策として海草藻場が果たす役割について報告した。海草藻場は159ヶ国以上の沿岸に分布する。その面積は合計30万平方キロメートル以上で、海底の被覆率は0.1%に過ぎないが、世界の海水中炭素の18%を貯蔵している。また、世界の大規模漁場でも稚魚の重要な生育地になっており、沿岸地域社会に対しても高潮を緩和するなどの生態系サービスを提供している。しかし、19世紀後半以降、工業・農業排水、沿岸開発、浚渫、気候変動などの影響で既知の海草藻場の約30%が減少した。最近の研究では年7%のペースに減少が加速しているという。世界のサンゴ礁の40%、マングローブ林の43%が海洋保護区(MPA)に指定されているのに対し、海草藻場のうちMPAに指定されているのは26%にすぎない。海草藻場の保全は、パリ協定やSDGs、生物多様性条約の目標達成のため重要となる。【国連環境計画】