一般財団法人環境イノベーション情報機構
フィンランド環境研究所、公共調達の調達基準に環境フットプリントの利用を提案
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2020.05.05 【情報源】フィンランド/2020.04.17 発表
フィンランド環境研究所(SYKE)は、このほど発表した研究において、公共調達の調達基準として「製品の環境フットプリント」(PEF)手法による気候影響評価の採用を提案した。欧州委員会が開発したPEF手法は、製品がライフサイクルを通じて環境に与える影響を気候変動、オゾン層破壊、生態毒性、酸性化、富栄養化、天然資源の劣化等16項目について算定し評価する。2015年のフィンランドの公共調達のカーボンフットプリントは、8.3MtCO2eで、公的消費は排出の12%を占める。PEF情報が調達基準として採用されれば、排出削減に役立つ。また、公共調達からの一歩は、市場での普及へ道を開く。PEF手法を入札に利用するためには、製品カテゴリー別のPEF算定が必要である。研究は、欧州委員会が作成したPEFカテゴリー規則(PEFCR)に基づいて乳製品とIT機器(ストレージ)の気候影響の算定方法を示した。課題はPEFCRの作成された製品カテゴリーが少ないことである。SYKEは、PEFCRがなくても、サプライヤーに対し一般的なPEFデータを要求することが、将来的な制度整備に向けた啓発につながるとしている。【フィンランド環境研究所】