一般財団法人環境イノベーション情報機構
EU、大気汚染物質の排出を削減する新国別排出上限指令を施行
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2017.01.11 【情報源】EU/2016.12.14 発表
欧州委員会は、5つの主要大気汚染物質(PM2.5、二酸化硫黄、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア)の欧州での排出制限を一段と厳しくする新国別排出上限(NEC)指令に、欧州議会と欧州理事会が署名したと発表した。同指令は、欧州委員会が2013年12月に公表した欧州大気浄化プログラムの中核となる政策案で、施行は2016年12月31日の予定。欧州では、大気汚染を原因とする呼吸器疾患等により、毎年45万人超が死亡しているという。欧州委員会は、同指令の完全な実施により、そうした健康への悪影響は約50%削減され、淡水の水質、土壌、生態系にもかなりの恩恵となるだけでなく、黒色炭素など気候変動要因の有害粒子への対策にもなるとしている。加盟各国は、同指令に沿って国内法を2018年6月30日までに改正し、主要5物質の排出を国際合意に沿って2020年、2030年までに削減するための国内大気汚染抑制プログラムを2019年までに策定する。欧州委員会は、大気浄化フォーラムの新たな設立、資金調達手段の利用促進等で加盟各国と協力するとしている。【欧州委員会】