一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、持続可能な開発のためパーム油産業との連携が必要と報告
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2016.11.22 【情報源】国連/2016.11.08 発表
国連環境計画(UNEP)は、持続可能な開発を目指し、かつ大型類人猿とその生態系を守るには、パーム油産業と緊密に連携した保全の取組が必要だとする報告書を公表した。この報告書は、UNEPが105の政府、保全機関、調査機関、国連機関、民間企業の連盟である大型類人猿保全計画(GRASP)を通じ、東南アジアのパーム油開発の2年間の調査結果を基に作成したもの。報告書では、大型類人猿の生息地付近で持続可能性の認定を受けたアブラヤシ農園を配置することを推奨している。また、環境の専門家を含む複数の利害関係者による計画策定プロセスを導入すること、大型類人猿を「殺さない」方針を厳密に執行すること、大型類人猿と保護価値の高い森林を監視、管理、保護する環境チームを配置することなどを提唱している。持続可能な調達源に由来するパーム油は現在世界の生産の約20%を占めているが、その半数は売れ残っているという。UNEPは、持続可能なパーム油の市場を拡大することが持続可能な開発目標の達成に寄与するとしている。【国連環境計画】