一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ 医薬品による環境負担に関する研究プロジェクトの中間報告を公表
【健康・化学物質 その他(健康・化学物質)】 【掲載日】2014.05.02 【情報源】ドイツ/2014.04.09 発表
ドイツ連邦環境庁は、医薬品による環境負担に関する研究プロジェクトの中間報告を公表した。研究では、医療品の作用物質や分解生成物630種以上の痕跡が、水域や土壌、汚泥、動植物に検出されていることが確認されているという。水域における作用物質の検出は50ヶ国に及んでいる。物質が検出されている地域は、工業国のみではなく、多数の発展途上国や中進国にも広がっているという。これらの国々のうち35か国において、水域におけるその濃度が、ラボ実験において魚類への最初の被害が確認される1リットルあたり0.1マイクログラムの値を超えているという。検出されている医薬品は、主に抗炎症薬ジクロフェナク、抗てんかん薬カルバマゼピン、消炎鎮痛剤 イブプロフェン、ホルモン剤エチニルエストラジオール、および抗生物質スルファメトキサゾールとなっている。近年、ドイツ国内やEUの他の加盟国、北アメリカ、中国における医薬品の環境検出データの状況が改善している。西側諸国が多数の情報を公表する一方で、アフリカやラテンアメリカ、東ヨーロッパにおける情報は非常に少ない状況である。特に、インドなど医薬品生産における主要国では、この情報はほとんど公開されていないことが問題として指摘されている。【ドイツ連邦環境庁】