一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、同国河川は総延長距離の半分以上が劣化と発表
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2013.04.10 【情報源】アメリカ/2013.03.26 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は、初の全国的な河川調査「2008〜2009年アメリカ河川評価」の結果、河川の総延長距離の55%が、水生生物が棲めない程劣化していると発表した。この調査では、州やインディアン自治区等の協力を得て約2000地点の観測が行われた。分析の結果わかったことは、1)過剰なレベルの窒素とリンが検出された。窒素が過剰であった河川は全体の27%、リンでは40%であった。この栄養塩汚染(富栄養化)は河川から湖沼や沿岸にも広がり、藻類の過剰繁殖で水質が劣化、水生生物や人々の健康、経済にも被害を与えている。
2)川原の草木被覆の減少により、侵食が進み洪水の危険が増加している。また、植物は汚染物質除去や水温の安定にも寄与するが、24%の河川で草木減少による深刻な影響が見られる。
3)9%の河川で、水浴等に適さない高濃度の細菌が検出された。
4)総河川距離の1万3000マイルで、食用には適さない濃度の水銀に汚染されている魚介類がみられた。中には胎児や子供の神経組織発達を阻害する程の高濃度汚染もあった。
EPAは、この調査結果は、州や自治区の管轄権を超えた河川監視体制の改善や、水生生物や人々の健康を守る地方政府等の水質管理の取組に貢献するとしている。【アメリカ環境保護庁】