一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ 2012年温室効果ガス排出量は前年比で上昇したものの京都議定書目標値は達成見込み
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2013.03.12 【情報源】ドイツ/2013.02.25 発表
ドイツ連邦環境省は、2012年の温室効果ガス排出量暫定値を示し、前年比で1.6%増加したものの、1990年比では25.5%削減し、京都議定書目標値(2008年から2012年の平均値で基準年から21%削減)を大幅に達成する見込みであることを公表した。暫定値は、連邦環境庁が算出したもの。2012年の排出量は合計で9億3100万トン(CO2換算)であり、最大の増加は二酸化炭素であった(2%増加)。これは、発電における褐炭と石炭の利用が増加したことと例年よりも冬が寒く、住居の暖房にガス利用が増加したことが要因として挙げられている。一方で再生可能エネルギーの拡張は排出量の増加の抑制に貢献したという。この暫定値は、京都議定書第一約束期間における初めての報告となるもの。連邦環境省のアルトマイヤー大臣は、「これまで達成された削減は、削減目標に向けた歩みにおいて重要な里程標である。一方で、気候変動に配慮したエネルギー供給への転換には更なる取り組みが必要であることを示している」と述べた。ドイツの野心的な気候目標を達成するために、EU排出量取引制度の変更、建物のエネルギー改修の拡張、持続可能なモビリティへの努力が必要不可欠であるとしている。また、連邦環境庁のフラスバース長官は、「原発廃止による温室効果ガス排出量の増加は、再生可能エネルギーの拡張により生じなかったものの、発電における石炭利用の増加傾向が気がかり」とコメントした。【ドイツ連邦環境省】