一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス公共政策研究所(IPPR)、新政策ECOは不十分と指摘
【エコビジネス 環境報告書】 【掲載日】2013.01.09 【情報源】イギリス/2012.12.17 発表
イギリスの有力シンクタンク、公共政策研究所(IPPR)は、イギリス政府がグリーンディール政策とともに導入するECO(エネルギー企業義務)に関する報告書を公表した。ECOは、「燃料貧困」緩和と温室効果ガス排出削減のため、2013年からエネルギー供給会社に対し貧困世帯のエネルギー効率向上対策を義務付けるもの。報告書によると、現在、「燃料貧困」とされる世帯はイングランドだけでも270万世帯あるが、ECOがイギリス全体で2023年までに対処できるのは12万5000から25万世帯にとどまり、支援されない世帯は200万以上に上るという。また、ECOの対象範囲が狭いため、イギリスが設定した温室効果ガス排出削減目標も達成できないおそれがあるという。報告書は、ECOが実現できるのは、現行政策で達成される排出削減の26%、ECOで対象外となる、屋根裏断熱のような低コスト省エネ策によれば達成できる省エネ分の40%にとどまるとしている。報告書は提言として、地域ベースの試験施行、地域当局の関与拡大などにより支援世帯を拡大するほか、早期に制度のレビューを行い、ECOの対象改修を見直して低価格改修も含めるなど、新制度の効率を高め排出削減目標の達成を図るよう求めている。【イギリス公共政策研究所】