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環境ニュース[海外]

国連環境計画の新報告書、食糧安全保障のため生態系サービスへの投資を促す報告書を発表

水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2011.09.02 【情報源】国連/2011.08.22 発表

 国連環境計画(UNEP)は、将来にわたり食糧と水を確保していくためには、生態系サービスに対する管理と投資が重要とする報告書『水と食糧の安全保障のための生態系』(Ecosystems to Water and Food Security)を発表した。
 これはUNEPが国際水管理研究所(IWMI)等20機関の協力によりまとめたもので、農地や漁場(漁業も農業の一つとして考慮)を「農業生態系」としてとらえ、汚染や過度な農業生産等により損なわれている生態系サービスを修復・維持するよう求めている。報告書によれば、水の浄化、洪水調節といった生態系サービスの調節機能の衰えは、土壌栄養分の減少や作物の病気への耐性低下を通じ、農業生産性の低下となって既に現われ始めており、このままでは、2050年までには作物生産は需要に対し最大25%も不足するおそれがあるという。報告書では、食糧と水の確保に不可欠な行動を、環境保護、水資源管理、食糧生産の3分野で提案し、また、個別の具体策として、乾燥地(過放牧を防ぐ家畜移動用の「回廊」の設置、作物・樹木・牧畜の組み合わせによる土壌の肥沃化等)、湿地(表流水の影響を防ぐための、陸地と水域の間の緩衝帯設置等)、作物生産システム(農地に樹木や生垣などの自然の植生を導入して森林生息地を結びつけることで、昆虫など花粉媒介生物を増やし土壌浸食を防ぐ方法等)その他の対策も提示している。【国連環境計画(UNEP)】

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