一般財団法人環境イノベーション情報機構
生物多様性条約事務局、「世界湿地の日」に、水の安全保障には森林と湿地が鍵であるとする声明を発表
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2011.02.18 【情報源】その他/2011.02.02 発表
世界湿地の日の2011年2月2日、生物多様性条約事務局(CBD)は、国際森林年の開始にあたり、水の安全保障には森林と湿地の保全が重要であるとの声明を発表した。森林と湿地の生態系は水循環を通じてつながっており、水の利用可能性を調整し、天然の浄水システムとして機能している。森林は集水域を維持し、砂漠化や塩害を防止し、気候調整等の役割も果たしており、水、森林、湿地は一体となって、飲み水の提供や自然災害からの保護等、経済的にも大きな恩恵を人間社会にもたらしている。「生態系と生物多様性の経済学(TEEB)」では、熱帯雨林が毎年提供する水関連サービスが1ha当たり7000USドル以上と推算する。しかし現在、少なくとも世界の6人に1人は安全な飲み水を入手できず、森林破壊や湿地減少により淡水は不足し、洪水のリスクも増加している。2025年頃には世界人口の3分の2が何らかの水問題に直面し、18億人は危機的な水不足の地域に住むとされる。声明では、今後は持続可能で効率のよい解決策を目指し、森林と湿地の総合的な管理が必要であるとしている。【生物多様性条約事務局(CBD)】