一般財団法人環境イノベーション情報機構
「生態系と生物多様性に関する経済学(TEEB)」地域政策立案者向け報告書が完成
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2010.09.22 【情報源】EU/2010.09.09 発表
生物多様性と生態系サービスの経済的価値を分析する「生態系と生物多様性に関する経済学(TEEB)」プロジェクトの地域の政策立案者向け報告書が公表された。報告書では、森林、公園、水辺といった自然資本の価値、及びサービスを地域がより理解し、都市経営、空間設計、保護地区の管理といった地域政策の分野でどのように利用することができるのか示したもの。地域が、自然にどれほど依存しているのかに焦点を当て、地方自治体のサービスを提供するため、コストの安い効率的な解決策を提示している。複数の事例も掲載されており、例えば、ウェールズ市では、緑地を増やすことにより、市民の健康状態が改善された事例を紹介している。推奨されている対策は、生態系サービスのための課金システム、地域の自然資本の責任のある取扱いに対する補償のためのガイドライン、並びに認証システム及びラべリングシステムである。今回の報告書には、40か国以上の学術、経済、政治の専門家140人以上が参加し、調査、分析、報告書作成を行った。報告書では、自然資本が地域の発展に貢献するために、「自然サービスの権利の公平な配分」、「現存する学術知識、または経験に基づく知識を最善に利用」、「全てのプロセスに利害関係者を巻き込む」ことが重要だとしている。【欧州委員会環境総局】