一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス、海洋の現状に関する包括的報告書を公表
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2010.08.03 【情報源】イギリス/2010.07.21 発表
イギリスの環境・食糧・農村地域省は、イギリスの海洋の現状をまとめた報告書「進捗記録2」を公表した。これは、人間活動や気候変動による海洋への影響に関する5年間の研究の成果であり、海洋機関や研究機関、大学の科学者によってまとめられたもの。国内外の学者による査読も経ている。ベイヨン政務次官は、報告書を、「イギリスの海洋の現状に関して最も包括的にまとめられたもの」と評価している。報告書の概要は以下のとおり。
●海面上昇は20世紀に14センチメートル上昇、海面温度は19世紀から1度上昇
●一部の海域で海鳥、ゼニガタアザラシが減少
●魚類資源は改善。しかし持続可能ではない漁業がまだ存在
●多くの河口が浄化され、魚類の多様性と生息数が増加
●多くの地域で重金属などの有害物質による汚染が減少し、海産食品における放射能汚染、富栄養化、藻類毒素の問題は僅かとなった
●海岸や沖合に缶、プラスチック類のごみが蓄積
●2008年における水産業の経済効果は470億ポンド
●海洋環境における主要な負荷は、漁業や物理的構造物による海底生息域の損傷や消失
【イギリスの環境・食糧・農村地域省】