一般財団法人環境イノベーション情報機構
「生態系と生物多様性に関する経済学(TEEB)」企業向け報告書が完成
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2010.07.23 【情報源】国連/2010.07.13 発表
生物多様性と生態系サービスの経済的価値を分析する「生態系と生物多様性に関する経済学(TEEB)」プロジェクトの企業向け報告書が公表された。報告書では、生物多様性を、経営計画や企業活動の中心に据えていくことの重要性について強調しており、近年のエコ認証商品やサービスの大幅な増加から、消費者は、持続可能な製品について認識しておることを示唆している。また、2050年までに2 兆米ドルから6兆米ドルにも達し得る生物多様性市場における企業のチャンスを示している。そして、企業に対し、7つの提案を行い、さらに財務専門機関に対し、生物多様性への影響を評価する共通の規格を開発することを要求している。TEEBはドイツと欧州委員会の提案により2007年に始まったプロジェクトで、現在は国連環境計画(UNEP)の下で実施されている。TEEBの最終報告書は、2010年10月に名古屋で開催される生物多様性条約第10回締約国会議で発表される。企業向けの7つの提案は以下のとおり。
●生物多様性及び生態系サービスに関する企業の影響と依存について調査を実施
●企業リスクと企業チャンスに関連するこれらの影響と依存について評価を実施
●生物多様性と生態系サービス情報システムの開発、SMART目標の設定、結果に関する測定、評価、報告の実施
●費用効率、新製品、新市場といった生物多様性と生態系サービスによって生み出される新しい企業チャンスの活用
●社会的責任の一環で、包括的な企業イニシアティブにおける企業戦略と対策に、生物多様性と生態系サービスを組み込む
●生物多様性と生態系サービスの方向付け及び戦略の改善のため、他の企業や、国、NGO、市民社会のステークホルダーと協力【UNEP】